薬剤師が考える混合診療の問題

同じ患者に対して、保険が有効な診療とそうでない診療を同時に行ってはならない当為が公的医療保険の基本ルールです。双方を併用して保険ガイの料金を徴収する「混合診療」は原則禁止となっていますが、厚生労働省が定めたルールの沿って行う場合のみ許されるケース(17種類)があります。最初は3種類のみで「特定療養費制度」と呼ばれていましたが、後からどんどん加わっていくうちに仕組みがややこしくなったため、現在では「保険外適用医療」と名称を変更し、大きく2つの分野に整理されました。

1つは「評価療養」で、いずれ保険に組み込まれる可能性のあるものです。このうち「先進医療」は、まだ一般的に普及していない医療技術で、各種の遺伝子診断や新しい手術法・治療法など100以上が指定されており、基準を満たした施設に限り、保険との併用が認められます。先進医療技術の費用は自費ですが、入院や検査など通常の診療部分には保険が使えるわけです。

ほかに、薬事法に基づく治験(臨床試験)、薬事法の承認から保険適用までの間の医薬品・医療機器の使用、保険適用された医薬品・医療機器を、承認された効能・用法や本来の目的と違う形で使用する場合があります。その専門性を製薬企業や治験施設で活かそうと、薬剤師 転職をする人が増えています。薬局や病院、ドラッグストアだけを薬剤師の職場と考えるのは時代遅れのようですね。

もう一つの分野は「選定医療」です。これは必ずしも必要ではないが、患者が希望して洗濯する医療のことです。予約診療、時間外診療、大病院の初診・再診、保険で制限された回数を越える医療行為などがあります。

このなかには、併用を認める制度の当初の名目だった患者負担の軽減ではなく、コンビニ感覚で大病院への受診を抑えるため、初診料を上乗せする、長期入院の患者には、保険から出す入院基本料をカットする…など、政策的な目的のために、逆に患者負担を増やすケースも見受けられます。